瞑想初心者がつまずかないためのヒント

更新日:2025年12月26日

瞑想初心者がつまずかないためのヒント|沖縄 観音寺

瞑想初心者がつまずかないためのヒント

なぜ、瞑想を始めると余計に雑念が湧くのでしょうか。武道家であり禅を追求する道慶が、頑張らない坐禅と心の調え方のコツを具体的に解説します。

はじめに:なぜ、瞑想を始めると「余計に雑念が湧く」のでしょうか?

心を静めたいと思って瞑想を始めたのに、かえってイライラしてしまった。座っている間、晩ごはんのことばかり考えてしまう。自分には向いていないのではないか。沖縄市観音寺で皆さんの悩みをお聞きしていると、瞑想や坐禅に挑戦しようとする多くの方が、こうした壁にぶつかって挫折してしまいそうになる姿を目にします。現代社会は絶え間なく情報が流れ込み、脳は常にフル回転を強いられています。そんな中で、いきなり無になろうとしても、それは荒れ狂う海を素手で抑え込もうとするようなものです。

  • 集中しようとするほど湧き上がる焦り
  • 正しくやろうとしすぎることによる力み

私自身、沖縄市観音寺にて禅を追求し、同時に武道家(総合格闘技の武道)として、一瞬の心の乱れが勝敗を決する緊張感の中で静寂を保つ訓練を積んできた道慶(大畑慶高)と申します。武道の戦いにおいても瞑想においても、最大の敵は外側ではなく、自分を律しようとする力みや焦りといった内側にあります。この文章では、あなたが瞑想を苦行ではなく、沖縄の青い海を眺めるような至福のひとときに変えるための具体的なコツをお伝えします。

第一章:仏教の教え:瞑想を邪魔する「五つの蓋」を知る

仏教では、静寂を妨げる心の曇りを五蓋として説いています。これらを敵視するのではなく、認めることが瞑想の第一歩です。

1. 五蓋(ごがい)という心の曇り

仏教では、瞑想中あるいは日常生活に私たちの心を覆い隠し、静寂を妨げる五つの障害を五蓋(ごがい)として説いています。初心者がつまずく原因のほとんどは、このどれかに当てはまります。

  • 貪欲(とんよく): もっとリラックスしたい、すごい体験をしたいという欲。
  • 瞋恚(しんに): 足の痛みや周囲の音、集中できない自分に対するイライラ。
  • 惛沈・睡眠(こんじん・すいめん): 心の重たさ、眠気、ぼんやりした状態。
  • 掉挙・悪作(じょうこ・おさ): 心がソワソワして落ち着かない、過去の後悔。
  • 疑(ぎ): これで合っているのかという迷いや疑念。

初心者がまず知っておくべきヒントは、これらの蓋が出てくるのは、至極当然であると認めることです。雑念が湧いたとき、ダメだ、と思うのではなく、お、今掉挙が出てきたな、と名前を付けて眺める。それだけで蓋は少しずつ持ち上がり、心の隙間から光が差し込み始めます。

2. 思考を「空(くう)」のスクリーンに映す

禅の智慧である空(くう)の観点から見れば、湧き上がる思考に実体はありません。瞑想初心者がつまずくのは、流れてくる思考を自分のものだと思い込み、それを掴んで深掘りしてしまうからです。思考は、あなたの脳が勝手に生み出す生理現象に過ぎません。自分自身というスクリーンに映る思考という映画から、そっと席を立って客観視する観照(かんしょう)の姿勢が身につくと、瞑想は驚くほど楽になります。

第二章:道慶の武道観:身体から「静」を作る技術

心で静かになろうとするのではなく、身体という器を武道の構えのように整えることで、自然と心は静まります。

1. 構えが心を固定する

武道の稽古において、最も重視されるのは構えです。重心、肩の力、背筋の立ち方。この身体的な型が崩れていると、技は決まりません。瞑想も同じです。初心者がつまずくのは心だけで静かになろうとするからですが、心は制御が難しいものです。

道慶流のコツは、心を放っておいて、身体を整えることに100%集中することです。天から吊られているように背筋を伸ばす調身や、肩の力を抜く抜力を意識します。身体という器が武道の構えのようにピタリと定まると、中身である心は不思議と落ち着いていきます。

2. 呼吸を「剣」として使う

武道において呼吸は技の力であり、心を繋ぎ止める鎖でもあります。瞑想においておすすめのヒントは、吐く息を細く長く、どこまでも遠くへ飛ばすイメージを持つことです。肺の中の空気を体内のわだかまりと一緒にすべて外へ捨て去る。吐き切れば新しい空気は勝手に入ってきます。思考が迷い始めたら呼吸という剣を一振りして今に戻る。この反復が集中力を養います。

第三章:日常に活かすヒント:瞑想を「非日常」にしない

特別な時間として構えるのではなく、日常の隙間や環境づくりに瞑想の智慧を取り入れます。

1. 日常実践のヒント1:小分け瞑想:1分間の区切り

30分座らなければならないという思い込みが挫折を生みます。日常の隙間時間に1分間だけ座ってみてください。パソコンを閉じた後や、お湯が沸くのを待つ1分。この短時間を武道の残心のなどのように次の動作に移る前の区切りとして使います。今に戻る回数を増やすことが、つまずかないための最も実践的なコツです。

2. 日常実践のヒント2:情報の断食としての瞑想

現代において私たちの脳は情報の過剰摂取で消化不良を起こしています。瞑想を始める30分前からスマートフォンやテレビを消す情報の断食を行ってください。脳への刺激を遮断した状態で座り始めると、雑念の勢いは明らかに弱まります。瞑想は座る前の環境づくりから始まっています。

3. 日常実践のヒント3:五感を使うオープン、フォーカス

一点に集中するのが難しいときは、視野や意識を広げる方法を試してください。目を半眼にし、見える景色のすべてをただ映し出します。同時に耳に入ってくる音、肌で感じる空気の温度、香りを判断せずに受け入れます。集中しようとする力みを手放し、ただ世界を自分の心に通過させる。武道における観の目の訓練は初心者がリラックスして瞑想に入るための素晴らしい入り口となります。

第四章:道慶の総括:沖縄の「なんくるないさ」と瞑想の真実

沖縄のなんくるないさという言葉の本来の意味は、真(まくとぅ)そーけー、なんくるないさ、すなわち正しい道を歩んでいれば自然と良い結果に導かれるという深い信頼です。私自身、修行時代に完璧な静寂を求めて自分を追い詰めましたが、沖縄の空を見上げ、呼吸や命が勝手に行われている流れに身を委ねればいいのだと悟りました。瞑想中に雑念にまみれても、まくとぅ(誠心誠意)座ろうとしたその姿勢そのものが、既に一つの完成なのです。

まとめ:瞑想は「自分自身」への里帰り

長文にお付き合いくださり、心より感謝申し上げます。(合掌)

瞑想初心者がつまずかないためのヒント。それは、特別な自分になろうとするのをやめ、今のままの自分をただ静かに見つめる勇気を持つことです。

  • 五蓋を知る:雑念は敵ではなく、心の生理現象。
  • 身体を整える:心より先に、武道の構えと呼吸を調える。
  • 頑張らない:なんくるないさ、の精神で座る時間を楽しむ。
瞑想がつらいときは、深く息を吐きながら微笑んでみてください。その微かな微笑みが、あなたの心の鎖を解き、自由へと連れ出してくれます。

どうぞ、今日からあなたの日常の中で、静かな呼吸を一吹き、心に届けてみてください。沖縄市観音寺では定期的に坐禅会を開催しております。一人で座るのが難しいと感じたときは、いつでもお気軽にお越しください。

著者・道慶氏の写真
沖縄市観音寺

道慶(大畑慶高)