みんなの寺
沖縄市観音寺とは

歴史について

曹洞宗みんなの寺観音寺は、鎌倉時代に開祖永平寺開山高祖道元禅師が、釈迦の教えである正法の仏法を中国から我が国に伝え、宗旨の根本を確立した。その宗旨は、歴代の祖師方によって受け継がれ、特に四代目総持寺開山太祖瑩山禅師によってあまねく日本国中に広められ、今日全国に一万五千余の寺院とおよそ一千万檀信徒を擁する我が国で最大の宗派となっている。

みんなの寺観音寺では、ご本尊に観世音菩薩（観音様）をお祀りしている。

観世音菩薩（観音様）は、仏教における代表的な『救世』の仏様であり、世の中総ての悩みを聞いてくれる無差別平等の救済力を持つ仏様である。

曹洞宗の両祖様道元禅師と瑩山禅師は、共に観世音菩薩に深く帰命していたとされている。

道元禅師は中国より還郷の時に嵐にみまわれたが観世音菩薩によって守護され、瑩山禅師は出生の因縁など観世音菩薩に相通じていたといわれている。

みんなの寺観音寺が建っている上地は、1260年越来按司の支配する一村で、中部地方での中国貿易（明の時代）の中心をなしており、越来集落創立当初から上地は存在していた。1422年尚巴志王による三山統一（琉球王朝）、1477年第二尚氏の尚真王の時代に中央集権が図られ各地に地頭代などが配置され、越来は琉球王朝の配下となった。

1588年、時の天下人豊臣秀吉は謁見した島津義弘に対し、天下統一するも琉球だけが臣従の例を尽くしておらず、このままでは兵を発して琉球を滅ぼす事になると、これを直接的に恫喝する「上意」を発したと言う。その旨は1588年の島津義久から尚永王の書簡に著された。

1602年、仙台藩領内に琉球船が漂着したが、徳川家康の命令により、1603年に琉球に送還された。以後、薩摩を介して家康への謝恩使の派遣が繰り返し要求されたが、尚王家は最後までこれに応じなかった。1608年9月には、家康と秀忠が水軍を起こそうとしていると聞いた島津家久が、改めて家康に必ず朝聘するよう諭したが尚王家は聴従せず、こうして遂に琉球征伐の御朱印が薩摩に下る事となった。

1609年薩摩藩の侵攻に敗れ、尚王が徳川家康へ朝聘上ることとなった。

その際、王の無事を祈りお見送りした場所の一つに上地と同じ越来の一部のムイニー（森根部落）にカラハーイ（唐針＝羅針盤）とよばれる東西の海を見渡せる聖地があり、葬儀や先祖供養、様々な祈願を行うウガンジョ（拝所）があった。

時代は下り太平洋戦後、米軍により嘉手納基地が建設される際、このカラハーイも接収され昔のように拝みに行く事が出来なくなったが、みんなの寺観音寺は、このカラハーイの方角へ拝むように向いており、更にカラハーイで氏神として祀られていたとされる観世音菩薩（観音様）は、現在みんなの寺観音寺へご安置され五穀豊穣祈願や先祖供養として祀られ、エイサー祭りの旗スガシーの出発祈願も現在はみんなの寺観音寺でおこなっている。

古来より部落地域の氏神として門中墓（一族墓）やヒヌカン（火の神）、観世音菩薩（観音様）を拝んできた上地のご先祖様は、丑根門中と宇佐礼門中より始まり、現在その末裔は広域に広がっている、みんなの寺観音寺を建立開創の縁が熟す時、この丑根門中の末裔の娘とご縁によって開基大和尚が、上地に寺を発願建立された。また沖縄市はもとより更に歴史的背景から沖縄戦戦没者供養の為、そして先祖供養、平和祈願を修行し、禅仏教を根本に安寧な生き方を伝道するために、みんなの寺として平成１２年に建立した。